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映画 『死神ランボー 皆殺しの戦場 (原題:COMBAT SHOCK)』 

オーラル学園では駄目っぽい映画にワザワザ手を出すことを「自決」と称しております。しかしこれは自覚的に自決することによってしばしば駄作をも楽しむことができるという、無より転じて生を拾う北斗神拳究極奥義にも似た錬金術的側面を持つ観賞テクニックなのである。
皆でワイワイ集団自決する際は主にブロッケンが邦画メインでチョイスしてくるわけだが、今回は私、伊藤(仮)の個人的自決である。三日とろろ美味しゅうございました。
ターゲットはこいつ、『死神ランボー 皆殺しの戦場 (原題:COMBAT SHOCK)』


死神ランボー 皆殺しの戦場 R-15指定 (字幕のみ)

世の中にはプレイして憂鬱な気分になる「鬱ゲー」と呼ばれるテレビゲームのジャンルが存在しますが、それに倣えば「鬱ムービー」と呼んで然るべき作品。この「いかにもパチですよ」という邦題でホラーコーナーに陳列されていればバカ系ホラーを期待して間違って借りる人も少なくないことでしょう。だって、パッケージにこんな文句が並んでるんだぜ!

ホラー映画版「タクシー・ドライバー」と言われ、カルト映画として
評価されている問題作がいよいよDVDリリース!
かつて、地獄のような戦場で“死神”と恐れられた男。
しかし、祖国アメリカに帰ってきた男を待ち受けていたのは
格差社会という新たな戦場だった。


そしてキャッチコピーが最高。

引きこもって生きるか、
誰かの為に死ぬか、
俺が決める。


力強いよね。まさに小泉改革以降、ひいては世界同時不況に狙い澄ました2008年12月25日という絶妙のタイミングでのDVD化。一体何の嫌がらせなのか。

元々は1984年に公開された映画でベトナム帰還兵の話なんですが、爆撃などの大がかりな戦闘シーンは報道映像の使い回しで、そのうえ同じカットを何度も繰り返して時間を稼ぐしょっぱい編集が香ばしい。
どう甘めに見てもベトナムには見えない禁断のアメリカ山中ロケに目を奪われつつ、なお戦友も上官も画面に登場しないという孤独の戦場を描ききった監督の勇気に脱帽。

ゲリラと見られるベトナム人女性を射殺後、数年間捕虜となって心に傷を負った主人公は戦場の記憶を失い祖国に帰還。貧困がはびこるスラム街に妻と子の3人で暮らすが借金まみれで家賃を滞納し退去を迫られており、食い物すら手に入らない生活。仕事はなく頼れる者もおらず、友人はシャブ漬け。
いたたまれない家を飛び出しブラブラするものの、途中路地裏で借金取りにヤキを入れられたりしながら挿入されるBGMはまったくといっていいほど場にそぐわないノリのいいシンセサイザー・ミュージック。

ときおり戦場の記憶をフラッシュバックさせながらハローワークの行列に延々と並ぶ主人公と、ひったくりをやってシャブを買うダチを交互に描写するシーンは映画史に残るダウナーな空気感を約束する。当然ノージョブでフィニッシュ。
帰り道では黒人ギャングが少女を売春させている(そのへんが「タクシードライバー」を引き合いに出す理由なんだろうけど)のに憤慨する真面目さを見せつつ何もせず、逆に自分はひったくりを決行、取り押さえられてヤキを入れられます(本日2回目)。

絵に描いたような絶望の縮図ですが、今作の凄い所はそれだけに留まらず。主人公の子供はなぜか泥人形のような残念なフォルムで、なんと泣き声はシンセサイザーによる合成音。よっぽどシンセを使ってみたかったのか、蛇口から滴る水音までシンセで作ってます。ある意味画期的。

ま、ここからハッピーエンドはありえないわけで後のストーリーは推して知るべしといったところです。ただ、ベトナム帰還兵のなかには祖国で冷や飯を喰った人間もいるでしょうしPTSDで苦しんだ人間もいたでしょう。
この映画の監督がそういった一部の兵士の喪失感をちぐはぐな演出でもって意識的に表現しようとしたとすればなかなか大した物なのかも。

……面白くはないけどな。
余談ですが主演俳優と監督は兄弟で、従兄弟まで出演してるらしい。


「死神ランボー」トレーラー ※微グロ注意

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[ 2009/10/30 20:23 ] 映画・アニメ感想 | TB(0) | CM(0)

遠藤浩輝 『オールラウンダー廻 2』 

出ました、期待の地味系格闘マンガの続きです。遠藤浩輝『オールラウンダー廻』第2巻。

 オールラウンダー廻(2)
「あいつやられた技を全部 自分のモノに出来るのか!?」

前巻では試合で2連敗(うち1戦は瞬殺)した主人公「廻(めぐる)」が、才能の片鱗を見せ始める第2巻!同門で同世代の「北村勇大」は得意の腕ひしぎと持ち前のセンスで順調に勝ちを重ねていくが、廻はそれとは対照的に自分が喰らった技を身に付ける応用力を持っていた。ファイナルファンタジーでいうところの青魔導師タイプですた。う~ん、王道。

新キャラとして打撃基礎コーチの絹川まりあ(オランダ 女子キック元チャンピオン)とキック・ボクシングクラスのノッポ女子高生神谷マキ(179cm・ツンデレ?)の登場で作中の雰囲気は一気に華やかになると同時に作者の童貞的セクハラ・スピリットに火が付いたのか、心なしかギャグが冴えだす。この和気あいあいムードが好きだなぁ。
次巻はまた幼馴染みの「山吹木喬」側の話だろうか。いずれにせよ、楽しみである。

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[ 2009/10/07 21:06 ] マンガ紹介 | TB(0) | CM(0)

佐藤まさあき 『堕靡泥の星③』 

主人公「神納達也」の通ったあとには草一本残らない、今夜もサディスティックなレビューをお待ちかねかぁい?
鬼才佐藤まさあき『堕靡泥の星』第3巻。

 堕靡泥の星完全版(3)
「もうすぐ…もうすぐこの部屋で
 おそらくは神々ですらなし得なかった……
 血と肉による天地創造が行われるのだ!!」
(作中より)

え~、神納達也は相変わらずの外道っぷりです。神への挑戦として尼僧を陵辱したあげく殺害し、さあ罰を喰らわすならやってみやがれとばかりに神父さんに尼僧殺害を懺悔。告悔の内容を警察に通報するわけにもいかない神父のジレンマ…!達也の圧勝です。

長崎後始末編では達也が利用した女子高生の裏切りにより尼僧殺害容疑の目が向けられますが、すかさず警察の警備をかいくぐって女子高生宅に忍び入り一晩ゆっくり陵辱して殺害。ついでに親父さんをスパナで撲殺、長崎からの逃亡を成功させる。

「勝った!!……三度俺は……
 俺の血をわかせ……そしてスリルとサスペンスに富んだ 殺人ゲームに!!」


そして第四章『混血奴隷』編に突入!
殺人者としての本性をかくす隠れ蓑として軽やかに社交界デビュー(?)する達也だが所詮は19歳の若造、LSDを盛られて乱交が始まるパーティーでタジタジ。気を取り直してお高くとまった外交官夫人をドヤ街の安宿で犯す達也。
してやったり…という勝利の愉悦にひたったのも束の間、遊び慣れた夫人にとってはそれすら『機智(エスプリ)』という男女のゲームに過ぎなかった!
己が汚してやろうとしたメス豚から逆に嘲られた、初めての屈辱を味わった達也は以下省略。

第四章のターゲットはナチスの血とユダヤの血が1/4ずつ入ったR国大使令嬢クリスチーネ。学生運動の自称革命家たちをものともせずに利用してクリスチーネと女中アンナを拉致。2人の主従関係をサディストとマゾヒストの関係に置き換えてやろう、というソフトオンデマンド的な大実験でありんす。
基本的にこの作品は血統によって人間性が左右されがちということもあり、哀れクリスチーナはナチス的サディズムの素養に目覚めさせられていく……。

『尼僧陵辱』編までの異常なまでの自己肯定と他者否定はだいぶなりを潜め、今回は完全に精神実験の様相を呈しています。達也のナチスに対する特別な思い入れ、それを踏まえておかないと完全に置いて行かれる展開。
ときおりSM風味のAVを観ると「おい、なんでそんな微妙なトコにこだわるんだよ、さっさと次のプレイに移れよ」と思うことがありますが、真性の人にとっては「そこが大事なんだよ!」という信念があるんでしょうね。

そういう展開です。ハイ。

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[ 2009/10/02 22:56 ] マンガ紹介 | TB(0) | CM(0)











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