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古屋兎丸 『インノサン少年十字軍』 

前々から気になっていた古屋兎丸の『インノサン少年十字軍』を大人買いしてみた。
舞台は13世紀フランス、神の信託を受けた羊飼いの少年エティエンヌは12人の仲間と共にエルサレムを目指す旅に出るが・・・

  
『インノサン少年十字軍』(楽天市場)

「神のお言葉にしたがい 喇叭(ラッパ)の導くまま
 エルサレムへ行ってまいります」


少年十字軍をモチーフにした時点で死亡フラグ立ちまくり。読者は事前に凄惨な結末を了解したうえで、悲劇に期待しながら読み進めることになる。

メインキャラには庶民の子から被差別階級の子まで様々な境遇の子供たちが含まれており、十字軍(テンプル騎士団)への憧れやエティエンヌへの恩義、功名心、難病平癒祈願、単なるノリ、などそれぞれの理由で少年十字軍に参加する。
このバラエティ豊かな少年の群れを結束で縛り、組織として秩序づけることがのちに悲劇を招く一因となる。
少年たちがそれぞれ独善的な行動に走り、関係が破綻し崩壊していく様子は中巻14話のモノローグでこう表現されている。

「少年は動物でもなく人間でもない 少年は少年という生き物なのだ」


ここは「インノサン(無垢)」のタイトルを端的に示す絶妙の言い回しだった。少年たちの幼い考えは大人たちにやすやすと絡め取られ、彼らはその身をもって無謀の代償を支払うことになる(意味深)。
この無知と支配の構造は知恵と知識を独占し大衆を愚民化させ続けるキリスト教会の姿に重なる重要なテーマだ。


重たい話なので何度も繰り返し読んで感慨を深めるタイプの作品ではないが、まあ一読の価値は充分あったように思う。しかし古屋兎丸ってこんな絵柄だっけ?昔はもうちょっとイラストチックな人物を描いていたような記憶があるが。

ストーリーとキャラクターにはまだ掘り下げる余地が残っているようにも感じたので、長編でリメイクしても面白いと思う。(恐れ多いが、できれば再構成・執筆は萩尾望都を希望・・・)
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[ 2013/11/04 15:16 ] マンガ紹介 | TB(0) | CM(0)











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