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失速のオルフェンズとヴヴヴ・ブランキ 

まだ放映中の番組について断定的に語るのは憚られるが、さすがに失速感が目立ち始めた『機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ』。殴り合いのMS戦は新鮮で楽しいが、政治パートの描き方が浅く盛り上がりに欠けている。
徐々に広がる「コレジャナイ感」、「どうしてこうなった・・・」と思うにつけて最近多い「素材は良いのに脚本で失敗するアニメ」の共通点がだんだん見えてきた気がする。


『ヱヴァQ』でもさんざん言われたことだが、状況を把握している人物が特段の理由なく主人公(&視聴者)への説明を怠るのはマズイ。特にその説明不足が原因であとあと窮地に陥る展開にするならば万人が納得できるだけの仕込みは必要になる。

オルフェンズは3人称視点で描かれているので鉄華団が知り得ない他勢力の思惑も視聴者にはある程度提供されるのだが、それにしても物語の背景がわかりづらい。
ナレーションでの説明を入れるか、クーデリアを有能にして説明キャラ属性を持たせるか、せめてどちらかは必要だった。おかげで20話でも宇宙ネズミとヒューマンデブリと世間知らずが老人に翻弄され続けるだけの物語が本筋になりつつある。

まず「搾取と格差」という地球とスペースノイドの対立構造が物語の根幹にあって、それを示すための描写はいくつも用意されていたんだけど、何故かどれも深刻さが伝わってこなかったんだよなあ。正直フミタンが退場してようやく事の重大性が明確になった感じ。
阿頼耶識、少年兵、穀物価格、ヒューマンデブリ。いま振り返れば酷い世界観だが、導入部分で主人公側が社会の異常性という根本に気付かないまま(クーデリアに啓蒙されて、ではなく)ただ弱肉強食の理に沿って鉄華団を結成したことで視聴者に鉄血世界を認めさせてしまった。現在でも鉄華団メンバーでクーデリアの理想を信じ、そのために戦っているという奴はいないだろう。
実際テイワズ傘下入りまではまさに実力でのし上がる立身出世ストーリーそのままだったので、逆にコロニーでの労働者の反乱と鎮圧は「あれ、そういう話になるの?」と違和感を覚えたほどだ。クーデリアと見ているものは違うけど利害が一致している、という宣言が欠けていたのか、それともわざと齟齬を指摘せずのちのち浮かび上がらせる効果を狙ったのか。この辺の判断は難しそう。


そして夕方放送という時間帯のミスマッチも痛い。マフィア傘下での成り上がりバカ一代、あわよくば革命というプロレタリアートの恨み節みたいな内容は脚本家の趣味なのかもしれないが、社会から弾き出された者が利権構造に食い込もうとする政治交渉・社会闘争に果たして子供が興味を持つかな?
かといってオルフェンズが深夜枠だったとしても、大人視聴者に期待された『装甲騎兵ボトムズ』的な「むせる」主人公像は序盤がピークで、オープニング・エンディング曲が変わったあたりからヒリヒリしたサバイブ感は減っていく一方。

そういう意味では『Gレコ』のほうがはるかに子供向きで夕方向きだった。ストーリーのわかりにくさは同等以上だが、少なくとも現実ばなれしたファンタジックなSF社会は興味をそそるし、「知識を得るため」の冒険活劇には普遍的なワクワク感があると思う。『Gレコ』も放送時間帯と尺不足が足を引っ張ったのが勿体無かった。



『ブブキ・ブランキ』も素材は良さそうなのに今期イマイチ盛り上がらない作品のひとつ。3DCG作画は昔に比べるとかなり進化していて感心するが、いかんせん世界観もルールも製作者の心の中にだけ存在している状態のまま物語を走らせすぎてしまった観がある。

巻き込まれタイプの主人公が予備知識なしで状況に放り込まれる作品は珍しくないが、『ブブキ・ブランキ』の場合は主人公が何をどこまで知っていて何のためにここにいるのか未だによくわからず、視聴者の感情移入を拒絶している。

・大人チームは多くを知っているが教えない
・子供チームも断片的に知ってはいるが主人公には説明しない
・主人公の知識は不明、行動は行き当たりばったり


いまのところ登場人物たちが視聴者に隠し事をしたまま物語を進めたことに納得できる説明はない。この蚊帳の外にいるような置いてかれ感はそういうことだろう。SNSで会話からハブかれた人ってこんな気分なんだろうか。

ブブキ戦はキャラ紹介を兼ねた連続バトル回で盛り上げるという試みだったのだろうが、そういうものと丸呑みするしかない意義と謎ルール、そして全員の回想シーン連発でテンポが悪化してしまったので手法としてはあまり成功していないような。

おそらくこれから東の妹が敵陣営側で出てくるんだろうけど、この流れだと妹も東に一切事情を説明しないで「わからずや!」とか言い出しそうで怖い。


そして公式ツイッターアカウントで本編で語られていない設定(しかし本編を理解するために必要な情報)を発信するのはどうかと思う。おそらく映像だけで情報伝達できていない自覚あっての苦肉の策だろうが、これでは未完成品を売ってアップデート修正で何とかしようとするTVゲームと大差ない。

しかしアニメはゲームと違ってユーザーが「後払い」するコンテンツ。DVDで大幅な修正や補完を行なっても再び興味を持ってもらうところから再出発して挽回することは簡単ではないだろう。


もう日常系・萌え系・ギャグ系以外の作品は週イチペースでのテレビ放送に限界がきているのではないか。マンガでも隔週・月刊・隔月連載の作品のほうが平均してクオリティは高いように思う。中長期的に見れば数を絞って良作を決め打ちしたほうが利益が出そうなものだが。

無駄弾にリソースを割いて失敗作を量産する今の状況は何とかならないものか。
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[ 2016/02/22 10:40 ] 映画・アニメ感想 | TB(0) | CM(0)











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