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小田ひで次 『拡散』 

『ミヨリの森』の作者といったほうが通りがいいでしょうか。95年頃の作品になりますが、時代に埋もれさせるにはあまりにも惜しい小田ひで次『拡散』


「人間がひとつにまとまっているために必要な……
つなぎとめる力がもうないんだ……」
(作中より)

はい、アイデンティティがクライシスな状況にあるそこの貴兄、寄ってらっしゃい見てらっしゃい。これぞ究極のひきこもりマンガ。
「ラブやん」「NHKにようこそ」のように、いまや見下し系ギャグのいちジャンルとして成立し一般化した「ひきこもりモノ」ですが、その草創期はこれほどまでに抜き差しならない切実な思いがあったことを忘れてはならない。
碇シンジの先祖がアムロ・レイであるのと同じように、すべてのひきこもりキャラの原点は本作の主人公、この東部克彦に他なりません。

「ひきこもり」と聞くとどうしても否定的な印象があるのは、それが単なる逃避だということを皆が承知の上だからです。シロップを煮詰めると砂糖が結晶化するように、社会が過剰なやさしさを以って人に接するとき、甘ったれが結晶化しても驚くにはあたりません。


『拡散』は幼くして社会との隔絶を感じ、他者と交われない主人公が引き篭もる代わりに文字通りその場から消えてしまう、「拡散」という能力(病気?)の力で世界中に自己を散らし、己の存在を確かめようとする物語です。しかしその特別な能力こそが逆に自分を逃避させている、という堂々巡りの構図。

この作品のメインテーマは「気付き」だと思います。自分を自分たらしめている自分とは何かという、口で言うことは簡単であっても理解するためには決定的な何かが必要に思われる何か…。その結論は読んで確かめてみていただきたい。


なんだか堅っ苦しい文章になりましたが、ようするに「思春期に迷ったら読んでください」というマンガです。逆にそんなことに一切悩まないような全くの健康な精神の方はそのまま老いて墓まで行ったほうが人生に深みはないけどお得です♪
さよなら、さよなら、さよなら。




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[ 2007/11/29 14:59 ] マンガ紹介 | TB(0) | CM(0)

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