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石塚真一 『岳』 18巻  

祝、完結!
ついに人気の登山マンガが堂々のフィナーレ。やろうと思えば日常パートでいくらでも延命可能な人気連載で、限界に挑む主人公の姿を物語のクライマックスにもってきて描ききったのは作者と編集者の英断。

 『岳(18) [ 石塚真一 ]
「命を救うことが頂上に立つことだとすれば…… 」

8000m地帯からの下山を試みるオスカー隊。猛烈な嵐のなかで全員が酸素ボンベを使い果たし危機に陥るが、そこに現れたのは隣のローツェからかけつけた三歩だった。

危険を冒しながら無酸素で救助にあたる三歩の姿を目の当たりにし、小田草介もまた自分の限界を超えて救助をサポート。その極限の状況下で草介は人命救助の何たるか、おそらく三歩の認識に近いであろう、ひとつの感覚を感じ取る。

(以下ネタバレ含む)


ヒラリーステップまで2往復してオスカー回収に成功した三歩。それを迎えるテンジンに無線で救助を求めたインド隊に「なにやっとんじゃあ!」と思わず怒鳴りつけて黙らせたくなる非情な展開。
マンガの中ではインド隊が自分勝手で無謀な登山隊として描かれてしまったが、エベレストでは登山ルートの渋滞で実際にこういう危機が何度もあったのだろうなぁ。

そしてインド隊の救助に向かい山頂へ到達する三歩、そして5年後──



意識が混濁した最後の通信と割れた「ナオタのコーヒーカップ」、久美に預けられたままの荷物。どれも三歩の死を暗示しているが、久美は「三歩が北アルプスを去った」と表現し、しかし全員がすでに三歩のいない状況を受け入れているように見える。

果たして三歩はどうなったのか。読み返してみると最後のシーンは嵐が収まっており、山頂で空のコーヒーカップを傾ける三歩。「さ、帰るか」と呟く口元には笑みがあり、虚ろだった目にも生気が戻っている。初見ではただ悲劇的なクライマックスと思われたこのラストシーンは実によくできている。

「エベレストで救助活動中に行方不明」というのが冷静な見方かもしれないが、最後のわずか3~4ページで読者に「それでも三歩なら何とかなるんじゃないか」というかすかな希望を感じさせただけでも島崎三歩というキャラクターの勝利であろう。


初登場時から超人的なキャリアを積んでいた三歩とは別のアプローチとして、これから成長していくであろうナオタを主人公にした続編をいつか読みたいものだ。
[ 2012/09/14 14:21 ] マンガ紹介 | TB(1) | CM(0)

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『岳』 石塚 真一 著

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