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フロンティア 

2007年のフランス・スイス共同製作ホラー『FRONTIER(S)』を視聴。

 『フロンティアHMV ONLINE R2)』


これまで見たフレンチホラーがあまりに酷い(褒め言葉)内容だったので、それに比べると別カテゴリーともいえる古典的スプラッタ作品。旅人が立ち寄った田舎のホテルは実は狂った家族が待ち構える罠で・・・という定番のアレだ。そのテンプレにフランス移民の暴動や極右政党の台頭など、ヨーロッパのご当地問題を盛り込んだのが本作。以下ネタバレ注意。


主人公御一行様は移民で極右政権が誕生すれば肩身が狭い思いをする側の5人組。ただし暴動のドサクサでしっかり強盗を働き、しかも逃走中に警官を数名ハジいているので出自に関わらずズバリ犯罪者。女主人公のヤスミンは強盗の主犯の子を妊娠しており、兄は強盗からの逃走中に撃たれて死亡。残った4人はゲットした金を持って国境へと向かうが・・・


「FRONTIER(フロンティア)」には「国境・辺境・未踏領域・最前線」といった意味があるが、わざわざタイトルが複数形を意識させる表記になっていることから色々な意味を持たせているのだろう。

しかしこの作品、ちゃんとしたスプラッタ・サスペンスなのだがどういうわけかカラッとしている。フレンチホラーというと血に浸した掛け布団で視聴者を押し潰すような重たい狂気のイメージだが、本作のゴア表現は肉屋のそれであって怨念に基づくものではないからかも?

問題の「宿屋」を経営するファミリーが濃いキャラ揃いでユニーク。特にパパと呼ばれるファミリー内で絶大な強権を振るう老人は純血主義のナチ残党で、彼らは旅人を殺害して(儀式か習慣かは不明だが)食人を行なうナチ風味のソニー・ビーン家。しかしこのファミリーが相当屈折したもので、前時代的といえるほど徹底された家長制度を土台にしたコミュニティ。
民族純血主義を謳いながら一方では外部の血を取り入れることに積極的で、最終的に一家と接点のない子を孕んだヤスミンを家族に迎えようとする。

「パパ」から数えて曾孫世代に遺伝子劣化(?)の兆候を匂わせる描写があることから、もしかするとナチスの優生学以前から近親交配してきた家系なのかも。これは妊娠可能な母体と次世代の種もしくは腹を確保したということか??

だとすると三男坊の「若すぎる嫁(エヴァ)」も実際は養子ではなく「パパ」の血族か。そうでなければ血の距離においてヤスミンと変わらず、ヤスミンが新しい血として迎え入れられる理由がない──とか思ったら公式サイトで「拾われた子」とか書かれてるし。しかも一番マトモに見えたのに精神病者設定らしい。
まあ未成年に見えるエヴァが「近親交配の結果であり道具」って設定が丸出しだとさすがにマズイから察してくれというフェイク公式情報かもしれん。視聴者がそこまで忖度して裏読みする義理はないが、そうしないとヤスミン嫁入り展開が破綻する。

うーん、ヨーロッパには「ナチは論理破綻したモンスターとして描いてOK」として説明放棄が許される便利なルールでもあるのか。ミステリーでもトリックのオチを「中国人だから可能」で済ませるのは禁じ手だというのに。まあいい。



スプラッタと脱出劇のベースにしてはいるものの、根底にあるのは「コミュニティ(と帰属意識)」の問題だろう。しかし移民設定も妊娠設定もナチス設定も活用が中途半端で、食材ではなくドレッシング程度にしか扱えていない印象。そのへんの甘さに目をつぶればまあまあ楽しめる作品だ。
[ 2015/06/08 11:56 ] 映画・アニメ感想 | TB(0) | CM(0)

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