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萩尾望都 『バルバラ異界』 

融通無碍とはこのこと。円熟を迎えますます磨きがかかる萩尾望都の空想力が冴える衝撃的な作品『バルバラ異界』のススメ。
 (←全四巻)
「未来はきみらを愛しているか?」(作中より)

この作品が一大センセーションを巻き起こさないのが不思議でならない。そのくらい奇想天外にして完成された上質のSFファンタジーだと確信しています。結末を謎めかすことなく見事に帳尻を合わせる手腕はさすが。

夢と現実、遺伝子と輪廻転生、過去と未来、不老不死…。この矛盾する全てを「神」という単語を用いずに描ききることができるのは現在この人だけだと思います。
この作品の醍醐味はサイエンス・フィクション(SF)の名のとおり、人間の持ちうる知識(即ち化学と精神医学)で上記の事柄の総合的な説明に成功した点にあります。
そんなことが本当に可能なのか、興味のある方は是非ご自分で確かめて頂きたい。


ここであらすじを…と思っても数回は読み返さないと把握できないような、難解な物語なので構成の説明はちょっと無理です。初見ではドストエフスキーを読んだときと同じくらい混乱しました。

というのも作中では過去・現在・未来と夢が地続きという特殊な世界観なので、狂言回し役である「夢に侵入する能力を持つ男(渡会時夫)」も便宜上の主観となる座標でしかなく、現在が「夢と現実」それぞれどちらであるかの根拠がありません。
そういう意味では読者としてストーリーに照準を合わせにくい作品なので、対象年齢は大学生以上だと思います。

物語は魅力的な展開から始まります。
2052年、両親の心臓を食べ眠り続ける少女・アオバの夢に侵入した時夫が目撃する100年後の世界は「火星との戦争」、「製薬会社がバルバラ人を原料に若返りの薬を作る」など、9歳で眠り込んだ少女が構築したにしては出来過ぎたものだった。のちに夢の中でアオバが暮らす島・バルバラを作ったのは時夫の息子・キリヤだということが判明する…。

…と、まったく展開が読めないでしょうけどそういうストーリーなんです。突飛な発想に思えても全て後々への複線になっているので、集中しての一気読みをオススメします。


※追記…後で知りましたが『バルバラ異界』は2006年の日本SF大賞受賞作品だそうです。


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[ 2007/12/11 20:52 ] マンガ紹介 | TB(0) | CM(0)

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