ブブキ・ブランキ 星の巨人 第一話(13話) 感想 

 以前の記事「ブブキ・ブランキ12話(最終回) 感想 」では序盤の無用なわかりにくさが終盤までボディブローのように響いたことと、素材は決して悪くなかったことを指摘した。
 そして期待と不安の入り交じる第二期『ブブキ・ブランキ 星の巨人』の第一話。結論から言えば大成功だったと思う。


 宝島の落下と王舞のパーツ探しで舞台を台湾に移した新展開。一期を観ている前提での話ということもあって今回は物語にスンナリ入っていける導入だったように思う。一期の反省からか、薫子がチーム日本と視聴者への情報公開に協力的だったことが大きい。
特に黒い心臓やチームの借り受けは最初に言語化されたおかげで劉毅の登場シーンでの一連のやりとりで人間関係の把握が円滑だった。
 おそらくここを一期と同じやり方で描いていたらチームアジアの内部事情の把握が保留され、敵味方の線引きが分からないまま視聴者の混乱を招いていたであろう。もしかすると薫子に急遽説明キャラ属性を追加したために性格が多少ブッ飛んだ方向に改変された可能性もあるが、考えてみれば礼央子も相当ブッ飛んでいたわけだし大きな問題にはなるまい。

 さて『星の巨人』第一話で印象に残ったのはやはり台湾観光パートをはじめとしたチーム日本(女子)のハイテンション!一期でも中盤で突然ギャグ要素マシマシになって「何があった!?」と困惑したが、元々このくらいのノリを想定していて逆に重めのシリアス展開が暴走気味だったのかもと思った。まるでZガンダムがZZになったような。一期中盤までのシリアス要素も終盤で一気に茶番っぽく感じられてしまったのであれを二期で有効活用できるか期待したいところ。

 それにしても静流の東モノマネや観光パートは3Dアニメらしからぬ表情の豊かさで楽しかった。近年はキャラまで3DCG作画のアニメも増えてきたが、『蒼き鋼のアルペジオ』『亜人』『シドニアの騎士』『ベルセルク』など一連の作品群の中では『ブブキ・ブランキ』が一番の出来だと思う。
 黄金みたいなフワフワ髪の表現はまだ苦手なようだが、『山賊の娘ローニャ』あたりよりは陰影のつけ方など、セル画っぽく見せる技術が高い。セルルック3DCGアニメの未来はブブキ路線をブラッシュアップしていった先にありそう。あとは別のアプローチとして『Gのレコンギスタ』で採用された主線が鉛筆線っぽくなるセル画エフェクト。あれと相互補完していけばいずれ手描きとの差がさらに縮まるんじゃないかと期待している。

 『亜人』『シドニアの騎士』は硬質で非人間的な印象がそれなりにマッチしている部分があるから許容範囲内だが、今期の『ベルセルク』は大失敗と言わざるをえない。
 確かに断罪の塔編の戦闘は立体的な戦闘描写が多いし線が多いガッツの黒甲冑を手描きしたくない気持ちもわかるが、汚れた感じや重厚感のある画が苦手な3DCGと『ベルセルク』の相性が悪いのは明白だっただけに原作のもったいなさが際立ってしまった。せめて手描きパートがもうちょっとマシならとも思うが、そこも及第点以下だったのが残念。

 ともあれ3DCGの未来を感じさせてくれる『ブブキ・ブランキ 星の巨人』には今後も注目していきたい。

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■追記:第二話(14話)を視聴して■

 うーん、どうしてこうなるかな・・・。
 こうも頻繁に作り手と視聴者との情報共有にズレが生じるのは何か原因があるはず。自分が単にセリフを聞き逃したのでなければ、自分の「ブランキとは何かという認識」が丸ごと間違っていたことになる。

 二期第一話で柊はこう言っている。

 「俺たちは、宝島が落ちた時に行方不明になった王舞の体を探すため台湾に来たのを忘れるな」

 自分はてっきり宝島の落下でボディ(骨とか?)を紛失し王舞を使えない状況にあるのだと思っていたのだが、東の合流であっさり王舞が登場して困惑。ここ、どうなってんの?
 もしかしたら視聴者が何を把握できていないか制作側が把握していない可能性もあるので一応ここに書いておく。わからなかった、と。

 しかしまあ一期は東のウジウジと主人公チームの弱さでストレスが溜まる展開が多かっただけに、今のところ二期は薫子のウザ可愛さとロシアチーム相手に完勝できるようになった王舞の強ロボ感でだいぶ観やすくなっている。

 気になるのは東と薫子の認識に齟齬があり、会話が噛み合わない点。新たに「父親は何処へ行ったのか」という重要な謎が出てきたが、何だか会話を打ち切るように曖昧にしたまま流してしまった。
 一期の失策のひとつ「特に理由なく説明を怠る」ではなく一希家の家庭環境そのものをわざとボカして描いた演出・伏線だとは思うが、ここでタメを作るのに見合った真相が用意されていればいいのだが果たして。

 ・・・無いとは思うが「記憶が改竄されている」系のちゃぶ台返し超展開はいらんぞ (-_-;)


■さらに追記:第三話(15話)を視聴して■

 ・・・今さらだが、もしかして薫子の黒い王舞と東チームの白い王舞は同一機体なのか? 当然のように出現した白い王舞に作中で誰もツッコまないから、きっとそういうことなんだろう。心臓によって機体のボディカラーリングが変わる設定あったっけ? なんかもう一期の記憶が曖昧で・・・。

 案の定、薫子は東の話をよく聞きもせず撤退し、しかもどうみてもギーに踊らされている感じ。一期は東が求めても情報が与えられず、逆に二期はキーパーソンの薫子が自ら情報を遮断して状況が発生する展開。それは別にいいんだけど、どっちも情報伝達がなされない理由が希薄すぎるのが違和感の原因だろう。納得したがっているときの視聴者は理解のハードルを下げているので行動の理由付けはほんのちょっと形が整っていればいいだけなんだけどなぁ。そこが難しい。

 映画「パイレーツ・オブ・カリビアン」でも終盤の一刻を争う状況でオーランド・ブルームがうっかりカギを落とすイージーなドジを踏んでピンチを拡大するという露骨すぎる時間稼ぎがあり大いに白けたものだ。しかもジャック・スパロウの仲間にならない理由が特にないにも関わらず決別。せめて視聴者になんか理由くれよ、と思ったことが強く印象に残っている。

 「無限のリヴァイアス」は何が起きているのか情報がわからないまま一方的に攻撃される宇宙艦内の混沌を描くが、連絡手段がない閉鎖環境という強固な設定で疑問を生じさせなかった。

 黄金と的場井が一期で描かれなかった部分を一気に補完してきたのは、これから本格的に「ブブキ・ブランキ」という料理を煮詰めるにあたって割れ鍋の穴を塞ぐ作業が急務だったのだろう。的場井がわざわざ話を拗らせた観は否めないが(結果的に汀と同じ)とりあえず黄金との因縁は一区切り。

 台湾チームとのブブキ戦があっという間に決着したのも一期の反省が活かされている。ホントは台湾チーム各人にもそれなりの背景と語れる設定が用意してあったんだろうけど、やはり本筋ありきなので取捨選択は必要。
 外国チームもキャラが良いからスピンオフがあっても面白そうなんだが、何はともあれ本筋が売れなければ話にならないので今はメインストーリーに集中して欲しい。

 これも「Gレコ」と一緒で「完結してストーリーの大筋を把握してから一気観したらスゲー面白いタイプの作品」な気がしてきた。
[ 2016/10/06 11:21 ] 映画・アニメ感想 | TB(0) | CM(0)

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