機動戦士ガンダム 水星の魔女(第二話まで) 

PROLOGUE(0話)でサイボーグ技術の延長としてのGUNDフォーマットと兵器としての威力を見せつけ、第1話で家父長制や決闘や出身地差別の中世的価値観と百合婚が容認される現代的視点が交錯し、第2話でガンダムを危険視する評議会それぞれの思惑にミオリネの反抗期を提示。

感想はもうちょっと物語が進んでからと思ったが、早い時点で予想を書いておくのも一興かと思った次第。



ガンダムは当初から(OVA等は別として)少年パイロットの成長物語なので親世代との確執や階級社会との折り合いは常に身近にあったテーマ。「水星の魔女」で主人公が少女になっても世代間闘争にまつわる戦争と自己確立という結末はおそらく変わらないだろう。
岡本拓也プロデューサーのインタビュー記事によれば「ガンダムは僕ら向けの物語じゃない」という若者の声をかなり意識しているようなので、かなりわかりやすく「10代少年少女の反逆」というものを描いてくると思われる。
作画のよさや小道具デザインのオシャレさ、YOASOBIによるテーマソングも令和っぽくて表面的にはいかにも現代的という感じを与えるが自分のような昭和の人間でも問題なく入り込める序盤2話だった。

※ 追記に続く
先に「中世的」と書いたが、SFで宇宙開発をリアルに描こうとすればするほど辺境の人権は事実上軽視される人命格差が生じるため差別構造の拡大は必至。デリングの強権的な支配も企業間政略結婚もA.S.(アド・ステラ)という宇宙時代においては家族を守る生存戦略にすぎないと思われる。

そこでさっきの話だが、10代~20代が求める痛快な物語とは何かというと先達が構築した強固な社会システムのハック、もしくは破壊だろう。

企業の経済活動と宇宙開発が一体化したA.S.時代においてMS最大手ベネリット・グループ総裁が軍人あがりという「安全保障に考えが及ぶ人物」なのは極めて幸運なのだが、第1話のトロフィー云々と第2話のダブスタ親父発言で丁寧に老害認定されてしまった。
しかしデリング暗殺を計画したヴィム・ジェターク、GUND技術に興味を示すペイル・テクノロジーズの様子からもデリングがGUND技術の軍事商品化の可能性を抑制する役割を果たしていたのは明らかだ。


ここからは完全に自分の予想になるが、おそらく今後ミオリネがとる行動は(それが自己実現のためであっても)A.S.時代の社会維持構造をよく知らずに「How Dare You(よくもそんなことを)!」したら結果的にデリングが守ってきた秩序を破壊してしまい戦乱の時代を招いた張本人ということになってスレッタと共に魔女認定される…だろう。たぶん。
現実での「アラブの春」のように権力者を倒したら既存秩序が崩壊して前より状況が悪くなるという展開。そうなればもちろんデリング秩序をハック、具体的には後継者を装って独裁に近いことを目論む人物も出てくるはず。ただそうなるとミオリネは権力闘争に身を投じることを避けられず、結局自分も何かを守るためにダブスタに手を染めるルートが見えてくるわけで。
だとすれば10代~20代のためのガンダムは「若者に責任を譲る」という結末に向かうのではなかろうか。

なのでスレッタとミオリネの関係性は共犯というか魔女扱いされる者同士というか…そういう連帯感で百合というよりはシスターフッド(?)的なコンビになっていくのではなかろうか。大穴でパーメット元素による人体拡張でどちらかが性転換。やるなら薄い本がやる前に公式がやれ(真顔)。


いま危惧しているのは「アスティカシア高等専門学園」が学園自治を盾に逃避行するヴァルヴレイヴみたいなルート。カバネリやヴヴヴの大河内脚本なのでどうも荒唐無稽な展開を警戒してしまう。そういやヴヴヴも最終的にヒロインが責任ある立場(大統領)に就いていたような…。脚本家が「責任の受領」を描きたいとすれば、ミオリネは反抗期のトロフィーから有能キャラに成長しないとショーコ大統領みたいに浮いてしまうので頑張っていただきたい。

「鉄血のオルフェンズ」では視聴者が鉄華団に感情移入することを読み違えてギャラルホルンを優遇し盛大に顰蹙を買ったわけだが、果たして今回は「大人が独占していた責任を若者にもちゃんと背負わせてあげる」という善意が伝わるだろうか。

いやまあ全部ただの予想なんだけど、ともかくどこに着地するのか今後の展開が楽しみである。
[ 2022/10/11 16:43 ] 映画・アニメ感想 | TB(0) | CM(0)

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